11.インドでの出会い: 2008年2月アーカイブ

 
インド二日目のおはなし。

まだ緊張していました。
 
 
私はカルカッタから地下鉄の駅で10個ほど北の町 
 
 
  SOVA VAZAR(ソババザール)
 
 
のマーケットを歩いていたんです。

  ・ 
  ・
  ・

 カルカッタといえばサダルストリートがあまりにも有名で、
 日本の観光旅行者やマザーテレサ・ハウスでボランティアをするような
 ヒトたちはその町に集まります。

 例えるなら、

 サダルストリートは大阪駅周辺のイメージ。
 ソババザールは千里中央のセルシーといった感じ。

 例えがローカルですみません(笑)

  ・
  ・
  ・

 ソババザールで日本人は珍しい。
 といいますか、彼らは日本という国を知りません。
 
 
  「お前はネパール人か?」
  
 
 ってよく聞かれましたから。


  「いや日本人だ」


 って答えたら、


  「そこは車で何時間で行けるんだ?」


 だって。


 だから、
 町のみんなが私を珍しそうにジロジロ見る。


 サダルストリートを歩けば5分に一回
 
 
  「ハローフレンド!」
 
 
 が始まりますが、この町は違います。


 彼らは日本語も英語もほとんど話せないので、
 私が世界一優しい日本人で、NOと言えない事を知らないんです。

 だから誰も私にビジネスを仕掛けてこない。
 
 
 単純に珍しいヤツがいるのでジロジロ見る。
 
 
   これも怖かったぁ~
 
 
 町にはマーケットが何百とあふれているんです。

 通りを歩くと、
 店番をしているインド人たちの目が私を追いかける。
 
 
 顔は動かさずに目だけが私を追いかける。
 
 
 とても買い物ができる状況ではありません。
 足早に歩く。目的がないのでただ歩く。

 1時間くらい歩いたら、
 マーケットの終点を通り越し河に出たんです。
 
 
  そこがガンジス河だって後で知りました。
 
 
 たくさんの方が沐浴をしていました。
 私はただずっと彼らを眺めていました。

  ・
  ・
  ・

 すると二人の少女が私に手を振るんです。
 最初は私の後ろに友達でもいるんだろうと考えて
 無視していたんですが、

 明らかに私に手を振っている。

 そしてカメラのシャッターを押すジェスチャーをする。

 それに気が付くまで数分。

 なんと のろまな私。
 
 
 「OK」って答えて、
 
 
 ガンジス河の岸辺に歩き出したら...
 
 
 今まで沐浴していたヒト達が私に声をかけるんです。

 意味は全く分かりません。

 でも声の調子から、
 非難しているわけでも怒っているわけでもないことがわかる。
 
 それらに分かったふりして笑顔で応え...
 
 
   これは危ない行動でした。
 
 
   分からない時は必ず事情が把握できるまで
   行動してはならないんです。

   特に何も知らない海外では。
 
 
 分かったふりして笑顔で彼女達に近づき、
 写真を撮ってあげたんです。

 そして彼女達に写真をどこに送ればいい?
 ってたずねたら、明らかに
 
 
  「バイバイ」のジェスチャー。
 
 
 今だに彼女達の真意は分かりません。

 しかし、

 この一件で私の緊張は解けたんです。
 
 
  「わははっ、どこでも人間は同じなのじゃ!」
 
 
  「わしのような良い人には女の子が寄ってくるのだ!」
 
 
 って爽やかに笑っていました。
 そしてインドが全部分かったような気になっていた時に...
 
 
  ずるっ!
 
  えっ?
 
  あれっ?
 

 まるでスローモーションのような感じで
 わたしは転んでいました。

 そうです。

 岸辺はぬるぬるしていたので、
 
  
  「すべるから注意しろ!」
 
 
 って言われていたんです。

 周りの人間が私を見て笑う。
 5~6歳の男の子達が寄ってきて私に話しかける。
 
 
 もうインドは怖くなかった。
 ガンジスが私を受け入れてくれた。

  ・
  ・
  ・

 さて、すっかり調子に乗った私は、
 再びマーケットへ出かけます。

 そこでパジャマを買ったんです。
 値段は50ルピー(150円)

 いままで緊張してた分だけ、
 もう気持ちがハイですから、
 訳の分からない言葉を連発していました。

 彼らはきっと頭のおかしいネパール人だと思ったでしょう(笑)
 
 
 さて次の日、
 買ったばかりのパジャマを洗濯して干しておいたら...
 
 
  パジャマが30cmほど縮んでいました TT
 
 
 これがインドデビューしたての私への軽い一発。
 
  
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やばい!囲まれた!
 
 
 インドについて数日目だったと思います。
 
 
  見知らぬ土地への恐怖心も少しやわらぎ、
  自分の安全弁が緩んでいたときでした。

  夜にガンジス河の岸辺を歩いていたんです。
 
 
私を3人の少年が足早に追い越し、
急に立ち止まって振り返ったんです。

顔に不敵な笑みまで浮かべてやがる...

うしろには同じように少年達が鼻で笑う気配を
たくさん感じていました。


 話がそれます。
 
 人間は何歳になっても、
 全く未経験のものごとに遭遇すると、
 3歳児レベルの判断しかできなくなるそうです。

 だからいろんな経験は、
 若い間にしておいた方がいいと思います。
 
 
  「あ~あ、ここで死ぬのか...」
 
 
 観念していました。  
 周りにはヒトがいない。

 しかも夜。

 真っ暗な夜。

 星明りだけの河岸でした。
 
 
 私は殺されるって直感したんです。
 
 今から思えばそれくらい、
 緊張していたのでしょう!
 
 
真ん中の18歳くらいの少年が私に話しかける。
 
 
  「クリケットやろうぜ!」
 
 
覚悟をきめかねてる私。
相手が何を話してるかなんて聞いていません。

アドレナリンの分泌はきっとMAX。
心臓がドキドキしてる。

ここで逃げるか戦うか...


再び少年が、
 
 
  「クリケット知ってるだろ?」
 
 
相手の話を聞いていない私。

やっぱり、戦っても勝ち目はないし...

ここは一丁土下座でもするか。
そして有金全部差し出すか...
 
滅茶苦茶チキンな想いを浮かべていた時、
 
 
うしろから チャイ が私の顔の前に
つきだされたんです。
 
 
  チャイ。

  一言で言えばミルクティーです。

  すごく小さなカップに入っていて1杯2ルピー(6円)

  インドではどこでも売っています。
  みんなこのチャイが大好きなんです。

  私も大好きな飲み物でした。
 
 
思考能力3歳児の私。

あまりの恐怖に心臓が口から飛び出しそうになってた私は、
そのチャイを払いのけたんです。

多分めちゃくちゃテンバッていました。
それから数秒間彼らとにらみあいました。


もちろんにらんでいたのは私だけ。

彼らは友好的な笑みを浮かべて、
その間じっと私の言葉を待っていたんです...

  ・
  ・
  ・ 

しばらくして、

3歳児の私がやっと
40歳のおっさんに戻った時。
 
 
  「ク、クリケット教えてくれぇ!」
 
 
って半分ベソをかきながら、
彼らに返事をしていました。

インドで野球は人気がありません。
テレビで放映してるのはプロのクリケットの試合ばかり。

小さい子供達はみんなクリケットに夢中です。
 
 
 私はラッキーだったと思います。
 
 
 ですからこの話を読んでも、
 海外で知らない土地で夜中の一人歩きはやめて
 おかれた方がいいです。

 ここには書きませんが、
 私は同じ場所で数週間後、
 一人の少年をなめてかかって、
 本当に刺されそうになったのですから...

   ・
   ・
   ・

さてさて何も分からないまま、
クリケットを教えてもらい一時間くらい遊んだあと、

ガンジスの河岸(あの"ぬるぬる"してる)で座り、
少年達20人くらいが私の周りにあつまって、
一緒にチャイを飲んでいました。

いろんな事を話したんです。

私の話を英語を話せる者が聞き、
それをみんなに伝える。
 
 
彼らは日本という国を知りたがりました。
   
  
  またまた話がそれます。
 
  海外に行けば、少し仲良くなれば
  必ず聞かれる質問
 
 
   「日本はどんな国?」
 
 
  愛国心を試される一瞬です。

  私はインドの少年達にどれだけの
  日本を伝えることができるだろうか。

  私はこの ニッポン について
  どれだけの事を知っているのだろうか...


そして、私はしどろもどろになって日本を伝える。
ものすごく知識の浅い親善大使(笑)
 
   ・
   ・
   ・

彼らは別れ間際に、
自分達の名前と住所を私の持っていたノートに書いてくれました。

それは今も持っています。

同じように私の住所と名前を彼らに渡してあります。
彼らがいつ日本に来てもいいように。
 
 
インド人が日本に来ることは大変なことです。
 
 
  ・裕福でないとダメ
 
 
  ・日本人の紹介がないとダメ
 
 
でないとビザがおりません。
これが国家同士の関係です。

インドは私のような日本人を受け入れるのに...
日本は大多数のインド人を拒否している。
 
 
 インド人はアメリカが大キライ。
 
 
 インド人は日本人が好き?
 

 日本人はインドのことをよく知らない。
 日本人はアメリカが好き。
 
 
 アメリカ人は日本なんてどうでもいい。
 アメリカ人はイギリス人が気になる...
 
 中国は、韓国は?
 
 
なんだかおかしな関係。
今日の最後は少し真面目なお話。

  
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マザーテレサの教会を探していた時の事でした。
 
 
 この教会の場所が分かりづらいんです。

 地図を片手にいろんな人に道を聞きながら探して歩くんですが、
 なかなか見つかりません。
 
   
  ちなみに私は"地球の歩き方"
  というガイドブックを丸め、

  おしりのポケットに入れて旅をしていました。

    ・
    ・
    ・

  しかし、
  
  この本は大変危険な本なんだそうです。

  インドで出会った日本人が教えてくれました。
 
 
    「こんな本持ってちゃダメですよ!」
 
 
    「私がインドに不慣れな日本人です!
    って自分で宣伝してるようなもんです」
 
    
  日本人に対して、
  ビジネスを仕掛けてくるインド人は、
  この本を見つけたら、心の中で
 
 
   「しめたっ!カモだ!」
 
  
  って思っていたんでしょうね。
 
 
  その忠告以来、私は必要な地図だけ破って、
  ガイドブックはリュックの中にしまっておきました。

  しかし

  「ハローフレンド」

  の回数は減りませんでしたが(笑)
 
 
何度も同じ通りを行き来しているうちに
前からものすごくキレイな女性が
私に微笑みかけながら向かってくるんです


真っ白なノースリーブのワンピース、
小さめの水玉プリント。
 
 
  細身で身長160cmくらい。
  
 
  笑顔が洗練されてる。


  髪型がこざっぱりしていてメークまでしてる。
 
 
ものすごく素敵な女性。

そして彼女は私に握手を求めてきた...
 
 
  【心の声】

    怪しー
 
    妖しすぎるぞ!

    わしがもてるはずがない。
    絶対に何か売ってくる。

    いやもっとヤバイ事になりそうな...
   
    あやしいぞ!

    え~い!腹をくくった!


    この瞬時の判断が身を守るのです。

    さて私の行動!

   ・
   ・ 
   ・  
   ・
   ・

わたしは最高の笑顔を作り
握手を返していました。

男って本当に美しい女性には弱いんですTT
 
 
 
で、話の結末は簡単。
彼女の目的はバクシーシ。

バクシーシの意味は以前の日記で書きました。

彼女達はそうしないと生きていけないヒト達。

子供の間はお金を稼ぐ事ができるんですが、
オトナになればそう簡単に稼げない。

だから、オトナになれば、
自分の体を傷つけるようになると聞きました。
 
 
 ・片足を切り落としたり
 
 
 ・目をつぶしたり
 
 
それが本当かどうか知りません。


しかし、

インドでは体の不自由な方をたくさん見かけます。
それが自分の意思なのかどうかは分かりませんが、

すごい光景をあちこちで見ました。
 
 
 四肢が完全に曲がっているヒト。
 
 
 雑踏の中でただ横たわっている両足のないヒト。
 
 
 駅で会った四つんばいの体勢でしか歩けないヒト。
 
 
彼女は自分の美貌を武器にした...

それだけの事。
 
 
「バクシーシ」に対する私の対応は
その時の気持ちで決めていました。

全く無視することもあったしお金を渡すこともありました。
  
  
その時はお金を渡そうと思ったんです。
そして50ルピー(150円)を渡したら...
 
 
彼女が、

  「それじゃ足りない200ルピー(600円)ください」

ときた。


私の心に変化。

聞こえないフリをして彼女から離れようとする。


すると、

すれ違いざまに小声で、
しかしものすごく冷たい声で、
 
 
  「シット!」
 
 
たぶんあの美人が、
般若のような顔になっていたことでしょう。
 
 
あとで聞いたおはなし。
彼女は有名な女性らしいです。

マザーテレザの教会には全世界から
ボランティアの志のある者たちが集まってくる。

だからバクシーシの場所として最適。
ボランティア仲間はみんな彼女の事を知っていました。
 
 
  ・
  ・ 
  ・
 
 
彼女は不幸?

たった一言で片付けられる事ではありません、

まして日本人の私が何を考えようと
何をしようとインドが変わるわけでもありません。

ただ私の知らない世界が
間違いなくインドにはありました。

  
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