11.インドでの出会いの最近のブログ記事

 
インド二日目のおはなし。

まだ緊張していました。
 
 
私はカルカッタから地下鉄の駅で10個ほど北の町 
 
 
  SOVA VAZAR(ソババザール)
 
 
のマーケットを歩いていたんです。

  ・ 
  ・
  ・

 カルカッタといえばサダルストリートがあまりにも有名で、
 日本の観光旅行者やマザーテレサ・ハウスでボランティアをするような
 ヒトたちはその町に集まります。

 例えるなら、

 サダルストリートは大阪駅周辺のイメージ。
 ソババザールは千里中央のセルシーといった感じ。

 例えがローカルですみません(笑)

  ・
  ・
  ・

 ソババザールで日本人は珍しい。
 といいますか、彼らは日本という国を知りません。
 
 
  「お前はネパール人か?」
  
 
 ってよく聞かれましたから。


  「いや日本人だ」


 って答えたら、


  「そこは車で何時間で行けるんだ?」


 だって。


 だから、
 町のみんなが私を珍しそうにジロジロ見る。


 サダルストリートを歩けば5分に一回
 
 
  「ハローフレンド!」
 
 
 が始まりますが、この町は違います。


 彼らは日本語も英語もほとんど話せないので、
 私が世界一優しい日本人で、NOと言えない事を知らないんです。

 だから誰も私にビジネスを仕掛けてこない。
 
 
 単純に珍しいヤツがいるのでジロジロ見る。
 
 
   これも怖かったぁ~
 
 
 町にはマーケットが何百とあふれているんです。

 通りを歩くと、
 店番をしているインド人たちの目が私を追いかける。
 
 
 顔は動かさずに目だけが私を追いかける。
 
 
 とても買い物ができる状況ではありません。
 足早に歩く。目的がないのでただ歩く。

 1時間くらい歩いたら、
 マーケットの終点を通り越し河に出たんです。
 
 
  そこがガンジス河だって後で知りました。
 
 
 たくさんの方が沐浴をしていました。
 私はただずっと彼らを眺めていました。

  ・
  ・
  ・

 すると二人の少女が私に手を振るんです。
 最初は私の後ろに友達でもいるんだろうと考えて
 無視していたんですが、

 明らかに私に手を振っている。

 そしてカメラのシャッターを押すジェスチャーをする。

 それに気が付くまで数分。

 なんと のろまな私。
 
 
 「OK」って答えて、
 
 
 ガンジス河の岸辺に歩き出したら...
 
 
 今まで沐浴していたヒト達が私に声をかけるんです。

 意味は全く分かりません。

 でも声の調子から、
 非難しているわけでも怒っているわけでもないことがわかる。
 
 それらに分かったふりして笑顔で応え...
 
 
   これは危ない行動でした。
 
 
   分からない時は必ず事情が把握できるまで
   行動してはならないんです。

   特に何も知らない海外では。
 
 
 分かったふりして笑顔で彼女達に近づき、
 写真を撮ってあげたんです。

 そして彼女達に写真をどこに送ればいい?
 ってたずねたら、明らかに
 
 
  「バイバイ」のジェスチャー。
 
 
 今だに彼女達の真意は分かりません。

 しかし、

 この一件で私の緊張は解けたんです。
 
 
  「わははっ、どこでも人間は同じなのじゃ!」
 
 
  「わしのような良い人には女の子が寄ってくるのだ!」
 
 
 って爽やかに笑っていました。
 そしてインドが全部分かったような気になっていた時に...
 
 
  ずるっ!
 
  えっ?
 
  あれっ?
 

 まるでスローモーションのような感じで
 わたしは転んでいました。

 そうです。

 岸辺はぬるぬるしていたので、
 
  
  「すべるから注意しろ!」
 
 
 って言われていたんです。

 周りの人間が私を見て笑う。
 5~6歳の男の子達が寄ってきて私に話しかける。
 
 
 もうインドは怖くなかった。
 ガンジスが私を受け入れてくれた。

  ・
  ・
  ・

 さて、すっかり調子に乗った私は、
 再びマーケットへ出かけます。

 そこでパジャマを買ったんです。
 値段は50ルピー(150円)

 いままで緊張してた分だけ、
 もう気持ちがハイですから、
 訳の分からない言葉を連発していました。

 彼らはきっと頭のおかしいネパール人だと思ったでしょう(笑)
 
 
 さて次の日、
 買ったばかりのパジャマを洗濯して干しておいたら...
 
 
  パジャマが30cmほど縮んでいました TT
 
 
 これがインドデビューしたての私への軽い一発。
 
  
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やばい!囲まれた!
 
 
 インドについて数日目だったと思います。
 
 
  見知らぬ土地への恐怖心も少しやわらぎ、
  自分の安全弁が緩んでいたときでした。

  夜にガンジス河の岸辺を歩いていたんです。
 
 
私を3人の少年が足早に追い越し、
急に立ち止まって振り返ったんです。

顔に不敵な笑みまで浮かべてやがる...

うしろには同じように少年達が鼻で笑う気配を
たくさん感じていました。


 話がそれます。
 
 人間は何歳になっても、
 全く未経験のものごとに遭遇すると、
 3歳児レベルの判断しかできなくなるそうです。

 だからいろんな経験は、
 若い間にしておいた方がいいと思います。
 
 
  「あ~あ、ここで死ぬのか...」
 
 
 観念していました。  
 周りにはヒトがいない。

 しかも夜。

 真っ暗な夜。

 星明りだけの河岸でした。
 
 
 私は殺されるって直感したんです。
 
 今から思えばそれくらい、
 緊張していたのでしょう!
 
 
真ん中の18歳くらいの少年が私に話しかける。
 
 
  「クリケットやろうぜ!」
 
 
覚悟をきめかねてる私。
相手が何を話してるかなんて聞いていません。

アドレナリンの分泌はきっとMAX。
心臓がドキドキしてる。

ここで逃げるか戦うか...


再び少年が、
 
 
  「クリケット知ってるだろ?」
 
 
相手の話を聞いていない私。

やっぱり、戦っても勝ち目はないし...

ここは一丁土下座でもするか。
そして有金全部差し出すか...
 
滅茶苦茶チキンな想いを浮かべていた時、
 
 
うしろから チャイ が私の顔の前に
つきだされたんです。
 
 
  チャイ。

  一言で言えばミルクティーです。

  すごく小さなカップに入っていて1杯2ルピー(6円)

  インドではどこでも売っています。
  みんなこのチャイが大好きなんです。

  私も大好きな飲み物でした。
 
 
思考能力3歳児の私。

あまりの恐怖に心臓が口から飛び出しそうになってた私は、
そのチャイを払いのけたんです。

多分めちゃくちゃテンバッていました。
それから数秒間彼らとにらみあいました。


もちろんにらんでいたのは私だけ。

彼らは友好的な笑みを浮かべて、
その間じっと私の言葉を待っていたんです...

  ・
  ・
  ・ 

しばらくして、

3歳児の私がやっと
40歳のおっさんに戻った時。
 
 
  「ク、クリケット教えてくれぇ!」
 
 
って半分ベソをかきながら、
彼らに返事をしていました。

インドで野球は人気がありません。
テレビで放映してるのはプロのクリケットの試合ばかり。

小さい子供達はみんなクリケットに夢中です。
 
 
 私はラッキーだったと思います。
 
 
 ですからこの話を読んでも、
 海外で知らない土地で夜中の一人歩きはやめて
 おかれた方がいいです。

 ここには書きませんが、
 私は同じ場所で数週間後、
 一人の少年をなめてかかって、
 本当に刺されそうになったのですから...

   ・
   ・
   ・

さてさて何も分からないまま、
クリケットを教えてもらい一時間くらい遊んだあと、

ガンジスの河岸(あの"ぬるぬる"してる)で座り、
少年達20人くらいが私の周りにあつまって、
一緒にチャイを飲んでいました。

いろんな事を話したんです。

私の話を英語を話せる者が聞き、
それをみんなに伝える。
 
 
彼らは日本という国を知りたがりました。
   
  
  またまた話がそれます。
 
  海外に行けば、少し仲良くなれば
  必ず聞かれる質問
 
 
   「日本はどんな国?」
 
 
  愛国心を試される一瞬です。

  私はインドの少年達にどれだけの
  日本を伝えることができるだろうか。

  私はこの ニッポン について
  どれだけの事を知っているのだろうか...


そして、私はしどろもどろになって日本を伝える。
ものすごく知識の浅い親善大使(笑)
 
   ・
   ・
   ・

彼らは別れ間際に、
自分達の名前と住所を私の持っていたノートに書いてくれました。

それは今も持っています。

同じように私の住所と名前を彼らに渡してあります。
彼らがいつ日本に来てもいいように。
 
 
インド人が日本に来ることは大変なことです。
 
 
  ・裕福でないとダメ
 
 
  ・日本人の紹介がないとダメ
 
 
でないとビザがおりません。
これが国家同士の関係です。

インドは私のような日本人を受け入れるのに...
日本は大多数のインド人を拒否している。
 
 
 インド人はアメリカが大キライ。
 
 
 インド人は日本人が好き?
 

 日本人はインドのことをよく知らない。
 日本人はアメリカが好き。
 
 
 アメリカ人は日本なんてどうでもいい。
 アメリカ人はイギリス人が気になる...
 
 中国は、韓国は?
 
 
なんだかおかしな関係。
今日の最後は少し真面目なお話。

  
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マザーテレサの教会を探していた時の事でした。
 
 
 この教会の場所が分かりづらいんです。

 地図を片手にいろんな人に道を聞きながら探して歩くんですが、
 なかなか見つかりません。
 
   
  ちなみに私は"地球の歩き方"
  というガイドブックを丸め、

  おしりのポケットに入れて旅をしていました。

    ・
    ・
    ・

  しかし、
  
  この本は大変危険な本なんだそうです。

  インドで出会った日本人が教えてくれました。
 
 
    「こんな本持ってちゃダメですよ!」
 
 
    「私がインドに不慣れな日本人です!
    って自分で宣伝してるようなもんです」
 
    
  日本人に対して、
  ビジネスを仕掛けてくるインド人は、
  この本を見つけたら、心の中で
 
 
   「しめたっ!カモだ!」
 
  
  って思っていたんでしょうね。
 
 
  その忠告以来、私は必要な地図だけ破って、
  ガイドブックはリュックの中にしまっておきました。

  しかし

  「ハローフレンド」

  の回数は減りませんでしたが(笑)
 
 
何度も同じ通りを行き来しているうちに
前からものすごくキレイな女性が
私に微笑みかけながら向かってくるんです


真っ白なノースリーブのワンピース、
小さめの水玉プリント。
 
 
  細身で身長160cmくらい。
  
 
  笑顔が洗練されてる。


  髪型がこざっぱりしていてメークまでしてる。
 
 
ものすごく素敵な女性。

そして彼女は私に握手を求めてきた...
 
 
  【心の声】

    怪しー
 
    妖しすぎるぞ!

    わしがもてるはずがない。
    絶対に何か売ってくる。

    いやもっとヤバイ事になりそうな...
   
    あやしいぞ!

    え~い!腹をくくった!


    この瞬時の判断が身を守るのです。

    さて私の行動!

   ・
   ・ 
   ・  
   ・
   ・

わたしは最高の笑顔を作り
握手を返していました。

男って本当に美しい女性には弱いんですTT
 
 
 
で、話の結末は簡単。
彼女の目的はバクシーシ。

バクシーシの意味は以前の日記で書きました。

彼女達はそうしないと生きていけないヒト達。

子供の間はお金を稼ぐ事ができるんですが、
オトナになればそう簡単に稼げない。

だから、オトナになれば、
自分の体を傷つけるようになると聞きました。
 
 
 ・片足を切り落としたり
 
 
 ・目をつぶしたり
 
 
それが本当かどうか知りません。


しかし、

インドでは体の不自由な方をたくさん見かけます。
それが自分の意思なのかどうかは分かりませんが、

すごい光景をあちこちで見ました。
 
 
 四肢が完全に曲がっているヒト。
 
 
 雑踏の中でただ横たわっている両足のないヒト。
 
 
 駅で会った四つんばいの体勢でしか歩けないヒト。
 
 
彼女は自分の美貌を武器にした...

それだけの事。
 
 
「バクシーシ」に対する私の対応は
その時の気持ちで決めていました。

全く無視することもあったしお金を渡すこともありました。
  
  
その時はお金を渡そうと思ったんです。
そして50ルピー(150円)を渡したら...
 
 
彼女が、

  「それじゃ足りない200ルピー(600円)ください」

ときた。


私の心に変化。

聞こえないフリをして彼女から離れようとする。


すると、

すれ違いざまに小声で、
しかしものすごく冷たい声で、
 
 
  「シット!」
 
 
たぶんあの美人が、
般若のような顔になっていたことでしょう。
 
 
あとで聞いたおはなし。
彼女は有名な女性らしいです。

マザーテレザの教会には全世界から
ボランティアの志のある者たちが集まってくる。

だからバクシーシの場所として最適。
ボランティア仲間はみんな彼女の事を知っていました。
 
 
  ・
  ・ 
  ・
 
 
彼女は不幸?

たった一言で片付けられる事ではありません、

まして日本人の私が何を考えようと
何をしようとインドが変わるわけでもありません。

ただ私の知らない世界が
間違いなくインドにはありました。

  
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私は無宗教です。

信じているのは自分の生き方。
頼りにするのは自分の理性。

私の宗教観は...
  
どちらかといえば、
スタインベックの「怒りの葡萄」に
出てくる"じっさま"の宗教観に近いです。
 
  
 話がそれます。

 私は学生時代、工学部のくせに一般教養で
 宗教学を選択していました。

 そこで教材になったのが
 このスタインベックの「怒りの葡萄」

 高校時代にその本を読んでいた私は、
 当時の講師の解釈に対して随分と違和感や反発を覚え、
 結局途中から出席しなくなりましたが...
 
 
 
そんな私がインドで占いをしてもらったんです。
自分のこれからの人生について。
 
 
さて占いの始まり。

まず誕生年と日を聞かれました。
 
 
  「1963年*月*日」
 
 
そして次に生まれた時刻。
 
 
  「へぇ?」


普通自分の生まれた時刻なんて知りませんから、
正直に知らないって答えたら、
 
 
  「大丈夫。」
 
 
  「ええっ!」
 
 
余計驚きます。
大丈夫だったら聞くなよオッサン! てな感じです。
 
 
それから約5分間、
なんやら数字を足したりかけたりして、
そして結局彼の出した結論。
 
 
まず私の現在。
 
 
  「お前の親父は疲れているだろ?」
 
 
  「いいえ」 ・・・私。
 
 
  「お前の親父は病気だろ?」
  
 
  「いいえ」 ・・・私。
 
 
  「え~い!お前の親父は...」←ちょっと怒ってる
 
 
   何が何でもあててやるぞ!っていう感じでした。
   しかし私の父はもう死んでいるのです。
 
 
 
そして私の未来。
私はこの2008年がゴールデンタイム。

8時の番組ではありません。 

まして私の大好きな岡村が出てる
メチャイケでもありません。
 
 
そうゴールデンタイムとは、
やることなす事がどんどんうまくいく年だそうです。
  
 
 実はちょっと期待しています。
 
 
そしてその占い料なんですが、
なんと 3000ルピー!(9000円)
インドの物価で言えば 約10万円。


たった30分で...
 
 
その後かの占い師は
パワーストーンの商売人に変身です。
 
 
  「お前にはこの****ストーンがいい!」
  
  
  「いくら?」
 
 
  「10000ルピー!(3万円)」
 
  
  「・・・」と私。
 
 
う~ん、
恐るべき商魂のたくましさ。

   ・
   ・
   ・

やっぱり自分の人生は自分で切り開くべきですね。
他人まかせでは、とんでもない事になる(笑)
 
 
さて話が戻って宗教学の期末テストの日。
出題されたテーマが
 
 
  カミュの「異邦人」。
  
 
そう!あのあまりにも有名な冒頭。
 
 
  「今日、ママンが死んだ」
 
 
のカミュです。

試験問題は
 
 
  「主人公の青年の心理について考察せよ」
  
 
私の解答は解答用紙に潔く一行。
 
 
  「捨てるカミュあれば拾うカミュあり!」
 
 
言外に単位が欲しい頭の悪い学生の
想いを演出してみたんですが...
 
 
少し期待していたんですが...
 
  
きっちり0点をつけられました TT
 
 
人生は小手先だけでは通用しないようです(笑)

  
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カルマ(業)を落とせ!
 
 
これはバナラシに着いた夜のお話です。
 
 
  バナラシという町は
  ガンジス河の沐浴でとても有名な場所。

  ガート(沐浴場)は大きいところから、
  小さいとこころまで合わせて約60箇所。

  その中に火葬場が2ヶ所あります。

  ヒンドゥー教徒にとって、その火葬場で焼かれて、
  その灰がガンジス川に流されることが
  この世で最高(最後)の幸せなのです
 
 
  毎日たくさんの遺体が運ばれてきました。
 
 
  せまい通りを数人の家族信者が遺体を
  かついで火葬場まで歩いていくのです。

  火葬場の火が消える事はありません。

  そこで写真を撮影したら大変なことになります。
  また私のような日本人が火葬場にいるだけでも、
  彼らにとって許せない行為に映ります。
 
 

「死を待つ家」に連れていかれました。
 
 
  そこでは死を待つ老人や病人たちが、
  数百人くらいいたでしょうか、
  みんな静かに横たわっていました。

  明かりなんてありません。

  建物はホテルの廃屋といった感じです。
  あちこちで咳が聞こえます...
 
 
その暗闇の中でプリースト(僧侶)だと名乗る男が
私に話しかけたんです。
 
 
 土壁の外にガンジスが見える。
 とても静かな河を私は眺めていました。
 
 
ここにいる者たちは死んでも焼いてもらえない。
薪を購入するためのお金がないのだと。

人一人を焼くために必要な薪は60kg。
お前は縁があってここに来たのだから薪を寄付しろ。

そしてお前のカルマ(業)を落とせと。
 
 
  ちなみに薪は1kg 3000ルピー(9000円)。
 
 
お布施の単位は1kgから...
 
 
  ・
  ・  
  ・
 
 
確かに私のインド行きは、
カルマを落とす事が目的でした。

今までの半生で背負った業、
それらをすべて流したかった...
 
 
しかし!
これは相手のペースではないのか!

今まで出会ったインド人たちの中でも、
このプリーストはかなりのやり手ではないのか...

私は自分自身の理性で考えます。
そして私の返事
 
 
  「私のできる範囲でお布施をしたい」
 
 
といって100ルピー(300円)渡したんです。
すると、かの僧侶が、
 
 
  「もっとよこせ!
   それではお前のカルマは落ちない」
 
 
って言ったんです。

今までおごそかな口調で、
私に語っていた僧侶がビジネス口調で交渉に入った。
 
 
  スイッチが切り替わった。
 
 
  おう!ビジネス上等やんけ!
 
 
そうなりゃこっちも学習している。
だてに何日もインドを歩いてないんだい!
 
 
  「本当に薪は1kgで3000ルピーするんだな!」
 
 
  「私はここにしばらく滞在する」
 
 
  「今度は私が薪を買って持参する」
 
 
って言い返したら黙ってしまったんです。

そしてお前の瞳には希望があるから、
無料で明日プジャー(礼拝)をしてやるという返事。

タダなわけはありません。
お金は後からなんとでも要求できる。

別にお金が惜しいわけではなかったんです。
ガンジスで私の背負ったものが流せるなら流したかった。

プジャーでカルマが落ちるなら...
 
 
そしてそれができるなら、こんなオッサンではなく、
本物のプリ-ストに出会いたいってその時願っていました。
 
 
  でもその一瞬後に、
 
 
  ほんとにその一瞬後に。
 
 
これが ホンモノ なのだって悟ったんです。
 
 
  ホンモノは自分の中だ!
 
 
って。


  ・
  ・
  ・


さて、ここから私のインドは変わります。
基本的に"なんでもOK"のいくちゃんの誕生です。

この一週間後に私はガンジス河で沐浴をします。
 
 
毎日トライするのですが、
どうしても勇気が出なかった。
 
 
 だって水は緑色で池みたいだし、
 
 
 あちこちに死体は流れているし。
 
 
 コレラ菌は30秒で死滅するっていうし。
 
 
沐浴は止めて日本に帰ろうって何度考えたことか。
 
 
その間ガンジス河のたくさんのガートで
いろんな友達ができるんです。


  私は フク って呼ばれていました。


ガートでは有名でした。
何でもOKの日本人だって!

だから毎日朝になれば、
ホテルの前にはビジネス目当てのインド人が
たくさん集まってきていた。
 
 
  「おーい フク 起きろ!」
 
 
  「今日は***に行こうぜ」
 
 
  「今日は俺の家族に会わせてやる」
 

  「***が手に入ったぞ」
 
 
  「飯食いに行こうぜ!」
 

  「フク金くれ!」
 
 
基本的に全部受け入れたんです。
だから私の行動はみんなに筒抜け。
 
 
  「1時間前にフクは**のガ-トにいた」
 
 
  「今日の午後は***にいるらしい」
 
 
なんて情報まで飛び交っていました(笑)
 
 
  ・
  ・
  ・


さて翌日のプジャー(礼拝)は大変でした。

薪がマッチで燃えないもんだから、
固形燃料ぶち込みやがって...

もう煙たいこと煙たいこと。
 
 
この "プジャー" の話はまたあらためて書こうと思います。

  ・
  ・
  ・

ちなみに薪は1kg100ルピー(300円)。
あとでみんなに教えてもらいました。

  
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インド人に、
 
 
  「治安の悪いところはどこか?」
 
 
って聞いたら、
 
 
  「北の方には行くな!」
 
 
ってよく言われました。

そこでは紛争がおこっているので、
旅行者なんかの行くところではないと...
 
 
  ・
  ・
  ・
 
 
その日は夜行列車に乗りこんだんです。
いつものようにいろんなトラブルに逢いながら(笑)
 
 
 そのころはもう慣れていました。
 
 逆にものごとがスムーズに行くほうが
 変な感じなんです。
 
 
そして自分の寝台席にいくと...

 イメージしてくださいね。
 向かい合わせに2段ベットのある、
 ふつうの寝台車の光景。
 
 
その私の座ろう(寝よう)としている、
2階のベッドに男が4人体育座りをして並んでいたんです。

まるでエサを待つヒナのように。
薄暗いベッドの上で白い目玉が8つ光ってる...
そして私を上から見おろしてる。
 
 
  4対1かぁ上等やんけ!

  だてにこっちも修羅場をくぐっちゃいない!

  すぐにチケットを取り出して...

  そこは自分の席だと...

  奴らと口論を...

  えっ?

  毛皮?
 
 
そうです。彼らは全員毛皮を着ていたんです。
 
 
  話がそれます。

  インドを旅するのに最適な季節は冬。
  その時期なら、多少肌寒い日があっても、
  灼熱地獄には遭遇しません。

  私もインドを旅していたのは1月でした。

  それでも、
  ほとんどのヒトはTシャツで過ごしています。
 
 
しかし彼らは毛皮。

頭に何の生き物か知らないけれど、
尻尾のついた毛皮の帽子までかぶってる。

今まで出会ったインド人とはあきらかに違う。
 
 
  「うっ!ひるんだら負けやぁ」


  「けど、めっちゃ怖い TT」
 
 
なんて悩んでいたら、
向こうからから先制パンチ!
 
 
  「お前は誰だ!」
 
 
  「私たちは家族だった」
 
 
  「お前は明日、どこで生まれた?」
 
 
  「私たちは腹がへったのか?」
 
 
もう、ものすごく下手な英語なんです。
今までに聞いたことがないくらい

真剣に聞けばきくほどメチャクチャ。
 
 
 
しかし口調で分かる。
 
 
彼らが自分の権利を主張しているのではなく、
途方にくれたアジア人に
 
 
  「どうしたんだ?」
 
  
って聞いてる気持ちが伝わってくるんです。
 
 
   ・
   ・
   ・

  会話の途中で私は気がついていました。

  彼らは山のヒト達。
  とても厳しい山岳で生活をしている民族。

  そしてカルカッタの人達が口をそろえて言った
  気の荒い恐ろしい民族。
 
 
私も英語が下手です、ほとんど話せません。

だから彼らとのコミュニケーションに
とてつもなく時間がかかったのです。
 
 
  ・ 
  ・
  ・

出会って1時間で誤解が解けました。

彼らの席は下だったんです。
そして私の席は上。

その時にはお互い笑っていました。
彼らは下のベッドに大移動。
そして私は自分の寝床を確保。

私は自分の荷物をベッドの上で整理していました。

  ・
  ・
  ・

しばらくすると、携帯の着信音。

ものすごく意外な感じがしたんです。
彼らがモバイル(携帯)を持っているとは...

私は失礼だとは思いながら
自分の好奇心には勝てず、
上から下のベッドを覗き込んだのです。
 
 
すると彼らの中で一番年上の50歳くらいの
人物が毛皮の内ポケットに手を入れて、
重々しくふで箱を取り出した。
 
 
 プラスチックでできた
 くすんだ白色のふで箱。

 その上面に四角形の穴があけてあり、
 携帯の液晶画面が見られるように
 細工がしてあるんです。

 いったい何のために!

 どうして携帯をふで箱に...

 謎は深まります。
 
 
残念ながら理由は聞きませんでした。

多分聞いてもお互いが分かり合えるまでに、
列車が目的地に到着しそうな気がしましたから(笑)

  ・
  ・
  ・

朝になって、
私は彼らのうちの一人の若者に起こされます。

彼は英語が話せない。
でも身振りで分かる。
 
 
  「一緒に朝食を食べよう!」
 
 
私が下のベッドに降りると、
ビニール袋に乾燥した米がはいったいたものを
笑顔で渡される。
 
 
  質素な朝食。
 
 
手ですくって食べろって
身振りでみんなが私に説明する。

パサパサなのでとてものどを通らないんです。

でも、うれしかった。
 
 
 
インドでモノをくれと言われた事は何回もあった。

しかし何の下心もなく、
食事をくれたのは彼らだけ。
   
 
  人類学的な見地から...

  山岳に住む人たちは争いごとを好まない
  優しいヒトが多いのだそうです。

  彼らは昔平地に住んでいた。

  そして肥えた土地を奪い合う争いを避け、
  自ら厳しい山岳に住む選択をしたのだと。
 
 
 
うかつにも、
私は食事をしながら泣いていました。
 
 
 寝台車のベッドを4人で使うヒト達。

 彼らは一睡もしていないはず、
 上の私に気遣って小さな声で話をしていた。
 
 
涙の理由は分かりません。
でも涙があふれてとまらなかった。
 
 
  ・
  ・
  ・

列車を降りるときに長老がひとこと。
 
 
 I have a nice trip.
 
 
多分
 
 
 ハブ ア ナイス トリップ !
 
 
って言いたかったのでしょう。
  

私も大声で
 
 
  Thank you !
  I have a nice trip!
 
 
って返事をしていました。


  
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