カルマ(業)を落とせ!
これはバナラシに着いた夜のお話です。
バナラシという町は
ガンジス河の沐浴でとても有名な場所。
ガート(沐浴場)は大きいところから、
小さいとこころまで合わせて約60箇所。
その中に火葬場が2ヶ所あります。
ヒンドゥー教徒にとって、その火葬場で焼かれて、
その灰がガンジス川に流されることが
この世で最高(最後)の幸せなのです
毎日たくさんの遺体が運ばれてきました。
せまい通りを数人の家族信者が遺体を
かついで火葬場まで歩いていくのです。
火葬場の火が消える事はありません。
そこで写真を撮影したら大変なことになります。
また私のような日本人が火葬場にいるだけでも、
彼らにとって許せない行為に映ります。
「死を待つ家」に連れていかれました。
そこでは死を待つ老人や病人たちが、
数百人くらいいたでしょうか、
みんな静かに横たわっていました。
明かりなんてありません。
建物はホテルの廃屋といった感じです。
あちこちで咳が聞こえます...
その暗闇の中でプリースト(僧侶)だと名乗る男が
私に話しかけたんです。
土壁の外にガンジスが見える。
とても静かな河を私は眺めていました。
ここにいる者たちは死んでも焼いてもらえない。
薪を購入するためのお金がないのだと。
人一人を焼くために必要な薪は60kg。
お前は縁があってここに来たのだから薪を寄付しろ。
そしてお前のカルマ(業)を落とせと。
ちなみに薪は1kg 3000ルピー(9000円)。
お布施の単位は1kgから...
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確かに私のインド行きは、
カルマを落とす事が目的でした。
今までの半生で背負った業、
それらをすべて流したかった...
しかし!
これは相手のペースではないのか!
今まで出会ったインド人たちの中でも、
このプリーストはかなりのやり手ではないのか...
私は自分自身の理性で考えます。
そして私の返事
「私のできる範囲でお布施をしたい」
といって100ルピー(300円)渡したんです。
すると、かの僧侶が、
「もっとよこせ!
それではお前のカルマは落ちない」
って言ったんです。
今までおごそかな口調で、
私に語っていた僧侶がビジネス口調で交渉に入った。
スイッチが切り替わった。
おう!ビジネス上等やんけ!
そうなりゃこっちも学習している。
だてに何日もインドを歩いてないんだい!
「本当に薪は1kgで3000ルピーするんだな!」
「私はここにしばらく滞在する」
「今度は私が薪を買って持参する」
って言い返したら黙ってしまったんです。
そしてお前の瞳には希望があるから、
無料で明日プジャー(礼拝)をしてやるという返事。
タダなわけはありません。
お金は後からなんとでも要求できる。
別にお金が惜しいわけではなかったんです。
ガンジスで私の背負ったものが流せるなら流したかった。
プジャーでカルマが落ちるなら...
そしてそれができるなら、こんなオッサンではなく、
本物のプリ-ストに出会いたいってその時願っていました。
でもその一瞬後に、
ほんとにその一瞬後に。
これが ホンモノ なのだって悟ったんです。
ホンモノは自分の中だ!
って。
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さて、ここから私のインドは変わります。
基本的に"なんでもOK"のいくちゃんの誕生です。
この一週間後に私はガンジス河で沐浴をします。
毎日トライするのですが、
どうしても勇気が出なかった。
だって水は緑色で池みたいだし、
あちこちに死体は流れているし。
コレラ菌は30秒で死滅するっていうし。
沐浴は止めて日本に帰ろうって何度考えたことか。
その間ガンジス河のたくさんのガートで
いろんな友達ができるんです。
私は フク って呼ばれていました。
ガートでは有名でした。
何でもOKの日本人だって!
だから毎日朝になれば、
ホテルの前にはビジネス目当てのインド人が
たくさん集まってきていた。
「おーい フク 起きろ!」
「今日は***に行こうぜ」
「今日は俺の家族に会わせてやる」
「***が手に入ったぞ」
「飯食いに行こうぜ!」
「フク金くれ!」
基本的に全部受け入れたんです。
だから私の行動はみんなに筒抜け。
「1時間前にフクは**のガ-トにいた」
「今日の午後は***にいるらしい」
なんて情報まで飛び交っていました(笑)
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さて翌日のプジャー(礼拝)は大変でした。
薪がマッチで燃えないもんだから、
固形燃料ぶち込みやがって...
もう煙たいこと煙たいこと。
この "プジャー" の話はまたあらためて書こうと思います。
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ちなみに薪は1kg100ルピー(300円)。
あとでみんなに教えてもらいました。
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